Monologue on a Fine Day 

"We are really ecologist !"

 突然であるが、アメリカという国はどうやら他国に資源の節約を強要しておきながら自国民への教育は怠っているようである。節約という言葉をほとんど知らない。一番目に余るのは「紙の無駄使い」。特にコンピュータ関連。とにかく消費量がけた違いなのである。日本にいたころ、そういった紙はメモ用紙代わりにつかったものだが、こっちの連中にそういう気は毛頭ない。ばんばんとためらいもなく、ごみ箱へ捨てるのである。おかげで夕方にでもなると、コンピュータ室のごみ箱は、捨てられたそういった紙々でいっぱいになるありさま。自分は、と言えば、そういった紙をたまに拾っては、メモやノートがわりに使っている。なんだか使っている自分の方が妙なことをしている気分になる。同じことが電気にも言える。NYのマンハッタンの夜景は半分以上が、誰もいないオフィスだと言われるが、これは観光資源ということで目をつぶるにしても、ここRICにそんなものを目当てに来る人は当然いないはずである。にもかかわらず、夜になってもオフィスの電気はつきっぱなし、中には電気は消されているが、コンピュータがついているのが見える、、なんてこともある。確かに、夜中にハウスキーパーがごみの処理には来るが、そんなのは一部屋5分程度であろう。アパートも分別式ではなく、びんもかんも電球も、みんな一緒でいいのである。だしかたもいい加減で、半透明のごみ袋で決まった期日にしかだせない某大都市とはえらい違いである。こうなると、こまめに電気を消して、紙の裏までもメモ帳として使い、ごみ箱をわけておいている日本の努力はたまったものではない。そこへサマータイム(Day Light Saving)である。なんのこっちゃない、そんなところで1年の半分1時間早くしたところで、大した節約にはならないのは自明である。
 今日の新聞METRO欄のトップ記事、「More NYC trash is headed for VA」を読んで、この無駄使いの意外な効用に気がついた。<でも認めたくなかったりもする、、。記事はNYCの一日2400トンのごみがVAに運ばれて処理される、という契約が結ばれる、というものだった。読んでみれば、VAは全米で二番目に他州のごみを処理している州だそうである。さて、このニュース、喜ばしいことか、悲しいことか?答はもろ手をあげての喜ばしいことなのである。そのこころは、、?『雇用が増える』。つまり、ごみがくればそれだけ処理するための雇用が増えるので、「失業に悩む」州としては喜ばしいことなのである。さきの分別ごみも、実は分別担当の雇用を増やすため、とも言われているし、あるビルのオフィスにいたっては夜中の2時ごろ各部屋の電気を消す、、という仕事のためとの処置とも言えるのである(理由は夜景の必要がなくなるから)。それでも紙だけは理由がみつからない。。強いてこじつけるなら、みてくれを気にするアメリカ人にとって、裏を使うという行為は、ひどく「せこく」見えるのに違いない。とは言うものの、これだけは気分的に「郷にしたがえない」部分なので、未だにそういった紙を机に高くつみあげて使っている。。しかし最近では、そこへわざわざ置きにくる学生もではじめ、うまくやれば、大学の経費の削減にもなるかも、、なんて思っている。今度Deanに言ってみようっと、、。

(September 18, 1998)
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