Monologue on a Fine Day 

Harmful Technology !?

 日頃インターネットの恩恵をかなり受けているのであまり強く言えないのだが、その便利さの中にも時には首をかしげたくなるものがある。たとえば学会のウエブサイト。最近はオンラインで学会発表の申込ができるサイトも少なくない。つい数年前までは郵送されてくる要旨の枠におさまるように印刷し、必要事項を記入して郵送で送付していたものである。したがって、最低申込前日にはFEDEXで送付していた記憶がある。それが今や、添付ファイルとしてウエブサイトから申込ができ、締切1時間前でも大丈夫なようになった。一見便利になったようだが、それがそうでもない。学会サイドはデータベースの構築も兼ねているか、入力情報が俄然多いのである。先日のフラストレーションの原因の一つがそれだった。原稿の準備も完了して、さあ送付と思ってウエブサイトを開いた。ステップバイステップの方式になっているのはありがたいが、なんと8ステップもある。大学のように安定したサーバ環境からならともかく、ダイアルアップユーザなら簡単にハングアップしている。一つ一つ注意深く進行していくも、あるところでいきづまってしまった。学会発表者全員の情報を詳細に聞いているのである。住所や電話番号はともかく、会員番号なんてわから〜ん!やっていたのが夜8時過ぎだったのでボスのもわからんし、自分の場合共同研究者にチェコリパブリックの教授も入っている。しかもそれがないと先に進めないのである。その晩は諦めて帰宅。次の日は朝から格闘開始。とりあえずボスの会員番号を入力、チェコの教授には非会員になってもらう(ごめんなさい(__))。そして要旨も送付して完了。最終チェック画面で、送付したファイルを開けようとするが、エラー。確認しないことには、終了とはいかない。埒があかないので、ヘルプデスクに電話。『ちゃんと送られているみたいだけど、こっちのサーバーがおかしいみたい。午後にでもトライしてみて』だと。とりあえずコントロール番号だけ控えて、午後を待つ。午後、再びトライ。やっとこさオープンでき、無事を確認。なんとか期限までに終了した。しかし結局まる1日かかってしまった。旧来のやり方なら2時間もあれば終わっていたのに、、(^^;。せめて入力情報だけは旧来のままにしておいてくれれば、夜だけですんだはずなのに。まったく精神上よろしくない。
 なんとか申込を終えて帰宅した夜、新聞のウエブを見ていたら、こんな見出しが、、。『あがり症の学生に朗報。ネット面接』。エントリーシートをウエブ上で記入。それにより書類選考が行われ、さらにネット上、二度の『面接』が行われるらしい(どうやらこれはメールのやりとりらしい)。しかしながら、その後内定までには筆記試験と役員面接(これはネットではない)があるのだそうだ。学生は会社に何度も出向く手間が省け、しかも『緊張』や『口下手』から来る失敗も防げるという。これではますます『公共の場でうまく話すことのできない』という日本人像を助長してしまうではないか、と思うのは自分だけなのだろうか?あと数年したら、『面接試問の回答作成マニュアル』なる本が売れること間違いなしである。

(April 8, 2000)
Back to main page