Monologue on a Fine Day 

South - Conservative!

 ワシントンDCを境にアメリカは北部と南部に別れる。東海岸の場合、この北部と南部の違いがおもしろいようにあらゆるところで見受けられる。特にここバージニアは州の名前の由来からも想像できるように、すべてが「コンサバ」である。たとえば離婚に関する法律。結婚したその次の日なら離婚ができるネバダのような州もあるが、さすがバージニア。離婚を希望する夫婦は最低一年間の別居を経てからでないと離婚が法的に認められない。その間に同棲などをすることも法的には許されないらしく、つまりは一人になってしばらく考えてから結論を出せということらしい。テレビの放送コードもアメリカでは州ごとに規定されるが、聞くところによればバージニアは全米で最もそれが厳しい州とか。キスシーンはあるものの、映画のラブシーンのどぎついのはカットされてるし、女性の胸にはモザイクがかかっている。全米チェーンのフーターズというレストランでは、州によってはトップレスに近い状態のウエイトレスがいるというのに、バージニアでは普通のTシャツだった。歴史にこだわる州ということも加わり、ダウンタウンのモニュメント通り沿いに並ぶ開拓時代の家々はこわさずに、今でも人が普通に暮らしている。話によれば、無茶苦茶人気が高いようで、順番待ちの人もいるとか、、。何を好き好んで古い家に住みたがるのか?今一つわからない感覚である。
 こういった背景からか、リッチモンドのアメリカ人は割と真面目なほうに属するようにも思われる。「折り返し電話する」というセリフはアメリカでは絶対に信じてはいけないと言われるが、これがちゃんとかかってくるのである。この前、「バックオーダーの品物が3日後に届く」の電話のあと、ちゃんと3日後に「来たからとりにきていいよ」と電話があったときには我ながら驚いてしまった。もちろん真面目といっても他の州で経験したことと比較してということで、日本と比較したらひとたまりもないことは言うまでもない。今朝アパートのマネージャーに「よくわからないけれど、ディスポーザーの音が変」と伝えてラボに出かけた。帰ってくるとキッチンに「ビスが一本抜けていたのが原因。ついでにエアコンのフィルターも交換しといたよん」とメモがあった。確かにディスポーザーの音は静かになった。エアコンのある物置をあけると、真新しいフィルターも見える。しかも物置はものが一杯であるにも関わらず、元の状態に近い。日本みたいじゃん、と妙なところで感心していたら、やっぱりオチはあった。エアコンの下に工具一式が残されていた。手ぶらで帰って何も気がつかんかったかねえー!まっ、いいかその日に直ったから。

(October 24, 1997)
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