Monologue on a Fine Day 

Post Littleton

 コロラドの銃乱射事件を発端にして『銃規制』の動きが再び始まったように見えたが、これがとんだ茶番に終わってしまいそうである。法案自体はその内容について上下院で論争中とのことであるが、論争というからには『推進派』と『反対派』がいる。そして論争の焦点となっているのは『銃展示即売会の定義』という。この銃展示即売会はあくまで販売者を対象としたものだが、ここに規制をかけることで製造側にも販売側にも慎重な対応をはかれることをねらいにしたものらしい。さてその法案の内容であるが、『推進派』はその定義を「10人以上の販売者の参加、50挺以上の銃砲の販売」としたのに対し、『反対派(主に全米ライフル協会がサポートしている連中)』は「2人以上の販売者、50挺以上の販売」の現行法を支持した。つまり「10人」対「2人」の違いだけである。確かに販売者の多い方が開催しにくいのは事実である。しかしたとえばリッチモンドだけでも、イエローページには24もの銃販売者がいるのである。周辺をあわせれば50は軽くいくだろうし、ましてやこれがもっと都会となれば10人も2人も大差がなくなる。そんなところを論争していたことに驚きを感じた。そしてさらに驚くべきことに、下院で法案は否決されてしまったのである。明らかにコロラドを発端とする動きとは反対の結果である。もともと今回の『銃規制法案』の支持者の多くは『子供を持つ父母親層』である。これらの層は上下院の政治家たちにとって選挙のときになくてはならない存在となるはずである。にも関わらず、否決にしても大丈夫なのかな?。ここまで新聞の社説を読んで考えたものの、はっきりわからなかった。そこに先日またもや新聞で目にとまったのが『青少年犯罪対策法案』である。これは主に暴力的内容を含む映画、ビデオゲーム、音楽などの娯楽商品の取り締まりを強化しようとするものである。もともとこれには銃規制の項目も含まれていたようだが、このリトルトンの事件をきっかけに独立したのだそうである。そして、こっちはどうやら上下院とも通るようである。つまり、「『銃規制法案』をつぶしても、『青少年犯罪対策法案』は残したから納得してね」とアピールするつもりらしい。そしてその『銃規制法案』を独立させたのは全米ライフル協会に頭が上がらない政治家だというのがコトの真相。全米ライフル協会のような大きな政治家支持団体と選挙を睨んだ政治ゲームだなんて、どっかの国の政治と似ているようで興味深い。人種が違うとはいえ、同じシステムには似たような問題が起きるようである。
 気のせいかもしれないが、とんだとばっちりを受けたのが映画制作サイド。今夏の映画にはアクションものが少ない。確かにシュアルツネッガー、ブルースウイルス、スタローンの次を継ぐスターがいないことは事実だが、、。現実を引き離してただエンジョイできるのが比較的好きな自分としては、ちょっぴり物足りなく、近ごろ映画館から足が遠ざかっている。はやく、作っておくれ、どこかの監督さん!

- Article sources: Richmond Times Dispatch -

(July 7, 1999)
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