Monologue on a Fine Day 

Guilty or Not Guilty

 実はこのネタは一ヵ月ほどためていた。8月は愛車スナフキン号にとっては、年に一度の車検(バージニアの州律)の月である。色々考えた上での結果なのだが、夜8時までピックアップできるディーラーを選んだのが間違いのもとだった。8/2午後。ディーラーから『Brake master cylinderとTire end rodの交換が必要。$700かかる。』と電話。No kiddingとばかりに車を引き上げ(この段階で車にはRejection Sealが貼られていた)、ブレーキ関係を専門とするガレージに持っていく。その日はちょうど閉店となり、とりあえず次の日来ると伝える。翌8/3。朝一番で持っていくも、当然彼らにも予定があり、せめて問題の二箇所が車検を通すのに必要かどうかだけでも見てくれと伝え、車を置いてきた。そして午後、電話。『まったく問題なし。どうやらだまされかけたようだね。』と言われる。つまりディーラーの言いなりになっていたら、なおさなくていい箇所に$700も余計に払わされるところだったのである。すかさず、彼らにReinspectionを依頼するも、閉店の6時までには手がまわらなかった。当日はラボにまだ仕事を残しており、その翌日の朝一番7時に予約をいれて、車を引き取りラボへ。その時自分はRejection Sealを貼ったまま一切運転してはいけないことを知らなかった。そしてラボの駐車場へいれる直前、State Policeにつかまった(^^;。
 State Policeに質問され、事情を説明するあいだ、車からは出ることは許されず、これも銃社会の作り出す慣習か、と妙に感心したが(まあ日本でも調書はパトカーの中でとるんだけれど、、。)、当然聞き入れてくれるはずもなく、ありがたく裁判召喚状をいただくことになった。召喚のその日は8/30、9:30。City of Richmondでつかまったので、General District Courtへの召喚となる。場所はラボから2block先。その次の日から大学のファカルティを始め、知り合いの弁護士などにも聞いてもらい、おそらく事情を話せば無罪放免となるだろう、との見解に帰着。そうなると、『こんな経験滅多にないぞ!』と楽しみにする始末<ただではころばない(^^;。おりしもJudge Judyなる公開裁判の番組もやっており、『なるほど、裁判官には"Your Honor"とつけるのね。』と学習する始末(^^;。
 そして当日。裁判所には50人程度の犯罪者(自分も含めてだが、)が、、(^^;。中には弁護士を連れているのもいる。裁判長登場。進行係が裁判開始の定型の言葉を唱える。当然ここでは胸に手をあて『むにゃむにゃ』とだけ言っておく(だってわかんないんだもん!)。Guiltyと認めて異論しない者から始まり、そのあとは順番で呼ばれる(自分は異論を唱えるのでここではパス!)。ほとんどがSpeeding Ticketであるが、日本ほど罰金が高くないという印象を受ける。つかまえたPoliceもその場に立ち合って裁判は進行される。順番を待つ間、自分の横には自分をつかまえたポリスがわざわざ座ってきて談笑なんかしてくる(きっと彼も話し相手がいなかったんでしょう(^^))。緊張感のかけらもない。圧巻だったのはある黒人女性。なんとSpeeding Ticketを5枚も持っていた。しかも全部違うPoliceから。裁判長の前にその被告と5人のPolice。裁判長に説教されたものの、結局彼女は4枚分に減刑されて、かえってよろこんでいた。でもなんで減刑されるんだ??おっと、自分の番。
裁判長:
You drove your car with a rejection seal. It will charge you $35 as a penalty. Did you get a new inspection, didn't you?
自分:
Yes, immediately after I got stopped.
(おっと、このままでは有罪だ。あわてて、)
But, let me explain a kind of unavoidable situation, Your Honor!
(お!やった!つかったぞ、My Honor(^^;)
発言が許されて、
I got this rejection seal from the dealer, but this was a result of their dishonesty. In fact, I brought my car to another garage and it ended up with no need to be repaired.
とRejection sealと車検を提出。
裁判長:
You didn't do any repair to go through the inspetion?
すかさず答える。
自分:
No. I didn't do anything!
裁判長がPoliceに確認。
Police:
I think he is telling a truth.
(おお、本当はいい奴だったんじゃないか(;;)!。。
裁判長:
Ok! You are dismissed. You should claim this to Better Businness Bereau.
(内心、『Yes!』と思いながらも、)
自分:
Thank you, Your Honor!
(また使った(^^)!)
冷静を装い、退室。晴れて無罪放免になったのである。しかし気の抜けない国じゃ。教訓:Dealerには古い車は持っていってはいけない。

(August 30, 1999)
Back to main page